オンラインレッスンで英語を学ぶ子どもたちが増えてきました。
中には園児さんや小学1年生になったばかりのお子さんも。
オンラインでは英語の4スキル「聴く・話す・読む・書く」のどれも学ぶことが可能ですが、低年齢のお子さんにとってはオンラインで「書く」を学ぶのは難しいのが実情です。
それでも、先生たちはどうにか工夫して指導されていると思います。
今回はこの中で低年齢のお子さんの「アルファベットの学び」について、
おうちの方にも知っておいていただきたいことを取り上げたいと思います。
<アルファベットとは>
アルファベットと聞くと英語の26文字を思い浮かべますが、世界にはアルファベットと呼ばれるものが数多くあります。
日本語の平仮名やカタカナと何が違うのかというと、
アルファベットは「音素文字」であることです。
日本語の「か」は[k-a]という音ですが英語のアルファベットでは
kもaもそれぞれが音の最小単位を表しています。
このことは子どもたちがフォニックス学習で身に着けていきます。
<子どもたちは大文字から覚える>
日本の子どもたちは大文字から覚えていきます。
文字の形を見てAを「エイ」などと名前読みするのは未就学の子どもたちも得意です。
これは、大文字の方が形が特徴的で見分けやすいからです。
また、日本の日常生活では「CD」「ATM」等、大文字の略称がよく見られることも原因のひとつです。大文字は子どもたちにとって身近な文字なのです。
<小文字は難しい>
大文字に比べると、小文字は子どもたちには難しく感じます。
「bとd」のように形が似ているものが多く、「Gとg」のように大文字とは似ても似つかない形のものもあります。
また、文字の背の高さも様々です。「a」のように背が低い文字、「h」のように背が高い文字、「p」のようにぶら下がる文字。
大人はつい「どうして覚えられないの?」「またbとdが反対だよ!」と言ってしまいがちですが、子どもたちが間違えやすいのには根拠があるのです。また、他の学習と同様、アルファベットの習得にも個人差があります。これは頭の良しあしや本人の努力とは何も関係がありませんので、心配せずに気長に見てあげるのがベストです。
<レッスンでは>
レッスンでは様々なアクティビティを通じて、アルファベットに親しんでもらっています。
*アルファベットの色塗り・・・空欄の大文字のアルファベットに文字の名前を言いながら色を塗ります。文字の形を認識するためです。
*交代読み・ひとつ飛ばし読み・・・ABCD…と順番に歌うことはできても文字それぞれの名前がわかっているわけではないことがよくあります。先生と交代で読んだり、A,C,E…と飛ばし読みをしたり、赤く塗った文字だけを読んだり。毎回いろんな読み方をすることで、文字の形と名前をマスターしていきます。仕上げは反対読み。
*小文字のアルファベットソング・・・小文字をひとつひとつ指でポイントしながら読む、または歌います。
*小文字の背の高さに合わせて体を動かすアクティビティ・・・小文字には3種類あることに気づいてもらうため、背が低い文字は椅子に座り、背が高い文字では立ちあがり、ぶら下がっている文字では床の上に座る、を繰り返しながらゆっくり歌います。レッスンではカメラに映らないといけない関係上、指で大きい、小さい、ぶら下がる、をやっています。
*小文字どうしのマッチング・・・紙の真ん中に線を引き、左右どちらの空欄にも小文字を書いておきます。子どもは左の小文字と同じ小文字を右から探して線でつなぎます。少ない文字数から始めます。
*大文字と小文字のマッチング・・・左に大文字、右に小文字を書き、同様にマッチングさせます。
*小文字に変身!・・・文字通り、大文字が小文字に変身する過程を横向きに書きます(写真参照)。自分がやってみたい文字で、好きなようにやらせてください。一人で全文字やる必要はもちろんありません。遊びながら覚えると印象に残る、ということがポイントです。
*点つなぎ・・・ご存じ、アルファベット順に点々をつないでいくと絵ができる遊びです。
学習を開始して2年目でも、子どもたちはまだまだ小文字に自信がありません。ですので、なぞり書きや写し書きを繰り返しながら定着させていくことになります。
<おうちでできること>
実は上記に挙げたアクティビティはすべて、おうちでできます!特別な教材も必要ありません。ぜひ、すきま時間に楽しくやってあげてほしいと思います。ちなみに「楽しく」ないようなら、やらないで大丈夫です。おうちの方にとってストレスになりますし、子どもたちは楽しくないことを学ぶのには時間がかかってしまうものです。
また、オンラインレッスンではできない「実物を触る」ことがご家庭なら可能です!ウレタン製のアルファベットやマグネットのアルファベットなど、形が手で確認できるものは低年齢の子どもたちにはぴったりです。文字の認識に時間がかかる子どもにはざらざらした感触など、指で形を認識してもらう工夫も有効だそうです。
<悩ましいローマ字学習との関係>
小文字にも自信が出てきたら、いよいよフォニックスにステップアップできますね!
ところで、小学校では3年生になるとローマ字を習います。
ご存じのようにローマ字は「国語」です。表記の仕方も英語とは異なる「訓令式」で習うため、例えば「チャイム」は「tyaimu」になります。子どもたちにとっては「同じアルファベットなのに日本語と英語では音も読み方も違う」ことに遭遇してしまいます。
その結果、ローマ字を学習した後にフォニックス学習をする子たちはアルファベットは「音素を表す」と感じていないため、苦戦することになります。
典型的な例は”p”を「プ」と発音する例です。こうなると、”pup”は「プップ」”pale”は「プ???」と混乱し、英語らしく読めなくなってしまうのです。もちろん、時間とともに多くの子どもたちは何となく読めるようにはなっていくことのですが・・・そうではない子もいる、ということです。
そのため、英語の先生たちの間では「ローマ字の前に何とかフォニックスやりたいんだけれど!」という話題がよく出ます。
以上の学習状況は地域や学校によって異なりますので、あくまでも一般的な例です。
少し脱線してしまいましたが、アルファベットについてはご家庭でも出来そうなことがたくさんありますね!また、オンラインレッスンでは難しいところをおうちの方にご協力いただければとても嬉しいです。
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