小6の時に、エミリ-・ブロンテ作の「嵐が丘」 « Wuthering Heights » by Emily Brontë, に出会った時、ものすごい衝撃を受けました。
1847年、175年前に書かれた、愛憎と復讐、あるいはヒ-スクリフの貫き通した愛が描かれたこの作品は、色あせることなく、いつの時代も読者の魂を揺さぶると思います。
美しく、気性の激しい、天真爛漫な自由人キャサリン、キャサリンの裏切りにより深い愛情が激しい憎みに代わり復讐の鬼と化すヒ-スクリフ。
本から読み取れる二人の姿を想像し、自分をキャサリンに置き換えて話の中にどんどん入っていったものでした。
小説からイメ-ジし、私の心に住みついたヒ-スクリフは、長身、イケメン、影のある、孤高の人、一歩間違うと恐ろしい性格とも取れますが、それはひとえにキャサリンへの純粋なまでの愛の深さと思え、そのひたむきさに憧れ、いつも私の理想の人でした。今でも理想の人です。
ヒ-スクリフが野良仕事をさぼってヨ-クシャ-の荒涼としたMooreでキャサリンと落ちあう描写。
何度も目を閉じて、そこに咲き乱れるHeatherの花、どんな風景だろうと想像し、いつか見に行くんだと心に決めていました。
そして、ついにイギリス留学中にヨ-ク地方に行く機会が訪れたのです。もう、30年ぐらい前のことです。
広がる無限の荒地に小さいけれども、力強く咲き乱れるHeatherの花、ぽっかり浮かぶ白い雲の下、岩の上に座りながら空を見つめて語り合う二人の姿がすぐさま目に浮かびました。
ヒ-スクリフという名前の英語表記はHeathcliff。
Heath + cliff、 荒野+崖、いかにも激しい人生を送った彼にふさわしい名前といえるのではないでしょうか。
またHeatherはHeathとも呼ばれているので、荒れた大地に咲き誇る花の様に、屈強にも負けずに生き抜いたヒ-スクリフの執念深さ、強さにもつながっていくのではないでしょうか。
文字の世界を色彩化するために、はじめは翻訳で、そのあと原書で、そして実際の舞台を訪れてみては。
また、この作品は何度も映画化、BBCでもドラマ化されているので、音声でも内容を振り返り、訪れる前に映像化することも可能です。
英文学を通して、英語学習と観光が融合、なんてすてきなんでしょう。
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