ルパン:もう10年以上昔だ… 俺は一人で売り出そうと 躍起になっている青二才だった。
バカやって… いきがった挙句の果てに 俺は【句動詞】に手を出した。
その樹海のように膨大な語彙。句動詞の巻物をその場で全暗記しようとしたが、数が多すぎたんだ。夢中になっている間に城の連中に後ろから襲撃され…情けない話だぜ。
何とか岸に這い上がったが 、もう身動きとれなかった。そんな時に水を飲ませ、瀕死の状態の俺を助けてくれたのが、あのクラリスってわけさ。
次元:おめぇ、それであの城の内部を知ってたってぇわけか。それにしてもまだ分からねぇことばかりだ。なぜあの連中は1語で言えてしまうようなことをわざわざ連語にして話していやがる?
ルパン:ふふふふ、次元。敵を知るには奴らの言語を深く観察するのさ。確かに、奴らの言語、英語には同じ意味の単語が複数存在している。
例えば、”postpone”(延期する)という単語も句動詞では”put off”を使うことで同様に表すことが出来る。語数で言えば後者の方が多い。だが、バラバラにして眺めてみたら、どうだ?
次元:”put”だけなら英語圏のどのガキでも知ってるような簡単な単語だわな
ルパン:次元、そこさ。つまりはこういうことだ。英語圏の奴らは”put”を幼少期から使い込んでいる。
例えば部屋を散らかせば”Put away”(片付けなさい)と親から言われるし、
“off”1語にしても”Turn off the TV.” (テレビを消しなさい)とか『何かをはずしたりそらしたりする』イメージのある単語だってちゃんと刷り込まれてきてるってわけ。だから電源を外す、という意味で、テレビを消すという意味に化けるんだな (タバコに火を付けながら)
次元:なるほど。…となると、英語圏の奴らは子供の頃から慣れ親しんできている簡単な単語動詞の掛け合わせを無意識に脳内でやっている、いわゆるそれが【句動詞の秘密】ってことかい
ルパン:その通り。”postpone”の1語は意外と英語圏の子供でも知らなかったりするんだ。発音は解って話せたとしても、書けなかったりする。
要は、漢字の書き取りと一緒さ。親が普段から使っている単語でないとスペリングを書き取り練習しない限りはいくらネイティブでも書けねぇんだな、これが
次元:…てぇことは、だ。俺のような日本人からすると若干違和感があるが、連語の【句動詞のほうがカジュアルな表現】てことか?
ルパン:ビーンゴォ。そしてそれこそが俺が当時盗もうとしていた巻物の神髄。ここが理解出来ちまえば、英語圏の奴らの思考が大分読みやすくなるってわけよ。
…騒がしくなってきたぜ。(遠くを眺めながら)インターポールが重い腰を上げたな。さて、とっとと逃げるぞぉ?
クラリス:行ってしまうの?
ルパン:う、うん。怖ぁーいオジサンが、いっぱい来たからね
クラリス:…私も連れてって!ドロボウはまだ出来ないけど、きっと【句動詞】覚えます!
ルパン:バカ言うんじゃない。やっと日のあたる場所に出られたんじゃないか!オレみたいに薄汚れちゃいけないんだよ…
【1分後】
とっつぁん:くそっ、一足遅かったか! ルパンめ!まんまと盗みおって!
クラリス:いいえ。あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦って下さったんです
とっつぁん:いや!!ヤツは とんでもないものを盗んでいきました …英語の技術と…あなたの心です 【完】
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