6月にはいると、リセエンヌ(フランスの高校生)達はまたまた落ち着かない時を過ごす事になりなす。
なぜなら、普通科BACを取得した大多数のリセエンヌの進路先が決まり始めるからです。
フランスの高等教育はめちゃくちゃ複雑です。昨年、息子が進路を決めなければいけなかったので、理系の高等機関を調べたのですが、さっぱりわかりませんでした。
長年こちらに住んでいる日本人の友人や、フランス人の友人にもきいてみましたが、運悪く息子は教育改定の第一期生なので、以前とは勝手が違ってしまい友人達も学校の先生も、みんな闇の中???でした。
そんな中で、自分が理解できた事をざっくり書きますが、これが全てではないところをご承知ください。
まずは、理系に進みたいと考えたら、こんな進路が考えられました。
Université (一般大学、通称FAC) : いわゆる日本の学部のようなもので3年間です。基本的に一番受け入れ枠が広いです。
Institut universitaire de technologie(工業技術大学、通称IUT ) : 従来の2年コ-スDUTに代わり、2022年9月から3年間のコ-ス、BUTが開講されました。
そのほか、息子が通っていた理系専門の高校に併設してあるBTSという2年間のコ-スに入ると、Le Brevet de Technicien Supérieur 上級技術者免状が取得できます。
CPGE(通称プレパ) : 後述の Grands écolesへの入学試験を準備する2年間のコ-スです。
プレパに入学するには書類選考だけではなく、試験を受ける必要がある場合もあります。2年間の厳しいプレパでの修行の後、超難関の試験を突破した者だけがGrands écoles に入学できます。
Grands écoles (グランゼコ-ル) : 大学以上にハイレベルな専門家教育機関。
政治・軍事・教育とあらゆる分野での官吏・官僚のキャリア組を養成する、まじエリ-ト教育機関です。
Grands écoles への合格率は、BAC取得者のわずか5%です。
とまああ、いろいろな道があって、何をどう選べばよいのかさっぱりわからず、樹海に迷い込んで出られなくなってしまった人のような気持ちになりました。
進学先の手続きはオンラインでParcoursupパルクールシュップ と呼ばれる、プラットフォ-ムを使って行われることが、2018年に導入されました。
12月末ごろから高校ではこの手続きの説明会を開催。同時に大学見学の機会も出てきます。
こちらでは文化祭などがないので、Open Campus Dayが大学を訪れるチャンスです。
息子の場合はコロナ下だったので、オンラインでの訪問でした。
1月末から3月末の間に、学生は優先順位なしで、自分の行きたい大学・学部を10まで志望動機書を添付の上、Parcoursupにネット登録します。
高校側は各生徒の成績と進路についての職員会での見解を生徒の登録した大学に送付します。
大学側は生徒のやる気、高校の成績、内申を受け入れ判断の基準として選考を開始します。
3月末から4月の頭の1週間ほどの間に、学生は自分の希望を見直し、志望変更をすることができます。
6月の頭から7月中旬までの間に合否発表がオンライン上で始まります。こちらはBACの大胆な発表と違って、個人アカウント上での発表です。
合格・Waiting list・不合格の3段階で知らされます。
合格のお知らせをもらったら、3日以内には自分の意思を通達しないとせっかくの合格が取り消されてしまうので、こまめにチェックする必要があります。
Waiting listの場合は自分の待ち順位が何番目なのかが、結構頻繁にSMSで送られてきます。
100番とか絶望的に見える順位でも、複数合格の優秀な生徒が自分の進学先以外を辞退するので、案外この順位は早く上がっていき、はれて桜咲く場合もあります。
運悪く、締め切り日までに進学先が決まらなかった学生には、2回戦目のチャンスがあるようですが、うちの息子は運よく6月中旬に進路が決まってくれたので、そこの点は調べませんでした。なので、情報なしです。
余談ですが、仲良しの友人が、大学が辞退者の予想数を間違えて、定員オ-バ-を引き起こし、一度出た許可が取り消しになった気の毒な学生がいたという事件を話してくれました。え、そんなことがあっていいのか !
息子の合否を怒りと恐怖の中で待っていた去年でした。めっちゃ心臓に悪いは・・・
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