« To be, or not to be : that is the question. » 生きるべきか死すべきか、それが問題だ。
« All the world’s a stage, And all the men and women merely players. »この世は舞台、人はみな役者だ。
« When we are born, we cry that we are come To this great stage of fools. »
人は泣きながら生まれる。この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しくてな。
皆さん、このセリフ、どこかで聞いたり読んだりしたことはありませんか?
そう、これは順番に「ハムレット」第3幕第1場、「お気に召すまま」第2幕第7場、「リア王」第4幕第6場からの引用です。これを書いたのは、英国ルネッサンス期の大劇作家&詩人、ウィリアム・シェイクスピア。
私ごときがシェイクスピアを語るなんて、おこがましいのですが、彼の作品には人生の指南書になる名言がたくさん含まれているので、お気楽に触れられるシェイクスピア探しをお話してみたいと思います。
彼は膨大な著作を残していますが、彼の作品は初期近代英語で書かれていて、原書を読みこなすのは厄介です。
そこで、優れた研究者や翻訳家による、現代日本語の読みやすい翻訳本の登場です。本を通してシェ-クスピアの世界へひとっ飛び。
文字より映像がお好みの方は映画やドラマで彼の作品をどうぞ。
もともとが劇のために書かれたので、もちろん舞台でも楽しめます。機会があれば、ロンドンのThe Globeグロ-ブ座でRoyal Shakespeare Company の公演を見てみたいものです。
文豪シェイクスピアの生まれた街を訪れたい人は、ストラトフォ-ド・アポン・エヴォンへ行ってみてください。
彼の生家、通った学校、8歳年上の妻(彼は18歳の時にできちゃった婚でした)アン・ハサウェイのコテ-ジ、娘スザンナが嫁いだ医者・ジョン・ホ-ルの家、孫エリザベス(彼女がシェイクスピアの血を引く最後の末裔です)が嫁いだジョン・ナッシュの家などを見学し、心をエリザベス朝へ飛ばしてみましょう。
では、実際のおすすめ作品や解説本などを紹介したいと思います。
シェイクスピアの作品を映画化した中で私が好きなのは、モノクロの古いもので1948年制作、名優ロ-レンス・オリヴィエさん主演の「ハムレット」、1993年制作とケネス・ブレナ-さんをはじめ豪華俳優出演の「空騒ぎ(Much Ado About Nothing)」 です。「リア王」をモチ-フに黒澤明監督が制作した映画もよいのではないでしょうか。
手っ取り早く、彼の作品と作風を知りたければ、小田島雄志先生の「小田島雄志のシェイクスピア遊学」をお薦めします。この本は解説本的ですが、小田島先生は全作品の翻訳を完成なさっているので、作品自体を読みたければ、小田島雄志訳の各作品をお薦めします。
シェイクスピアの作品や偉業は多く知られていますが、以外にも私生活は謎に包まれています。
特に、下記の点では長年議論を呼び起こしています。
彼の作品は一人ではなく、複数の劇作家によって書かれたのでは?
シェイクスピアとは同年代の別の偉大な作家、例えばクリストファ-・マ-ロウやフランシス・べ-コンなどのペンネ-ムでは?
彼のソネットには男性に、あるいは男性と女性両方に捧げたものがあるため、彼は同性愛者あるいはバイセクシャルだったのでは?
上の答えを見つけるには、文献をきちっと読む必要がありますが、なんちゃってシェイクスピ像はどんな?という方には、この2つの映画をお薦めします。両方とも伝記偉人映画ではなく、あくまでもこの偉大な文豪を主人公にすえたフィクションということをご留意ください。
1998年制作の ”Shakespeare in Love”では、当時最高のエンタメであった演劇を牽引し、恋に悩む若きシェイクスピアに会えます。こんなに情熱的だったのか彼は、素敵というのが私の感想です。
2018年制作の ”All is True”では、晩年のシェイクスピアに会えます。
引退を決めた彼がロンドンから故郷のストラトフォ-ド・アポン・エヴォンへ戻ってくる所から物語は始まります。
結構引用が出てくるので、この映画を見る前に、シェイクスピアについて予備知識があると一層楽しめると思います。
ジェンダ-、家族、セクシュアリティと現代にも通じるテ-マが取り入れられている点にも注目です。
では、ゆるゆる、適当シェイクスピア情報、終了です。
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