ごく稀にですが、理不尽な扱いや意味不明な罵倒を受けた時、私はものすごい怒りと悔しさを感じます。
そんな時、自分の嵐のような心を反映しているように響く、ニコロ・パガニ-二の「24の奇想曲 第24番」を聞いて気持ちを浄化させます。
ただし、どなたの演奏でもよいというわけではなく、映画 「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」で流れる、デイヴィッド・ギャレット氏の演奏です。
パガニーニそのものになりきって渾身の情熱をぶつけて全身全霊で奏でる、まさに狂気の彼の演奏を聞いているうちに、自分の怒りやドロドロした気持ちがス-っと退いていきます。
(よかったら、このリンクで聴いてみてくださいhttps://youtu.be/oY9Dg-OlA3E)
カプリ-ス24とも呼ばれるこの曲、カプリ-スはCapriccio(伊) /Caprice(仏)で気まぐれを意味します。
多くの作曲家たちがこの曲に魅せられ、改作し、あのピアノの魔術師リストも、「パガニ-二による大練習曲第6番」として作品を残しています。
わずか16小節の主題がアルベッジョ、オクタ-ヴ、半音階、高低交互、ピッツィカ-トと変幻自在に変わり、ヴァイオリンにしてもピアノにしても超絶技巧が必要。私もピアノで挑んでみましたが、お話にならない・・・
が、デイヴィッドさんは本物、見事に弾きあげています。
この素晴らしい演奏は、彼自身の超絶技巧の技なみならず、きっとものすごく相性の良い名器にも支えられているに違いありません。
彼がこの演奏に使用したのはヴァイオリンの名器、ストラディヴァリウスです。
ヴァイオリン工房といえば、イタリアのクレモナが有名ですが、実はここフランス、ヴォ-ジュ県の小さな街、ミルク-ル(Mirecourt)にも制作学校や工房があり、知る人ぞ知るといった感じです。
ヴァイオリンの音色が好きな方、どのように美しい音色を生み出す究極の楽器が生まれるのかを確かめに、ミラノから足を延ばしてクレモナへ、ナンシ-から足を延ばしてミルク-ルへ、ヴァイオリンの聖地を訪れてみては?
主要観光ではないのですが、地味な職人的な旅もいいものですよ。
さらに、ミラノ・スカラ座、パリのオペラ座、地方の劇場でその音色に癒されてみては?
超絶技巧の奏者と名器の融合が異次元の世界へと招いてくれること間違いなし !
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