英語習得では、多くの人々が陥る罠があります。
それは「挫折」です。
今回は、その内容と対抗策についてお話します。
1) 学習の目的・理由(再確認して明文化しよう)
私達は様々な目的・理由で英語を学ぼうとします。
「スラングではなく、正しい英語を話せるようになりたい」
「英語の映画を字幕なしで理解したい」
「オンライン会議で言いたいことを発言できるようになりたい」 等々
keys
▶ 目的・理由が、明確であればあるほど強い motivation に繋がります。
▶ 今一度、あなたの学習の 『目的・理由』 を明らかにして明文化しましょう。
▶ 明文化された 『目的・理由』 は後であなたが挫折しそうになった時に、非常に役に立ちます。
2) 方法論(どんな学習方法で学ぶのか、はっきりさせよう)
学習方法には様々な方法があるでしょう。
- 単語帳を繰り返しやる
- native speakers と話す
- TOEICで高得点をとって包括的に学ぶ 等々
keys
▶ 『目的・理由』 達成に最も即した方法は何か、改めて考えて、これも明文化しましょう。
▶ これも 『目的・理由』 同様に、挫折しそうになった時に、非常に役に立ちます。
3) 英語学習と登山の類似性
さて、あなたは過去に挫折したことがありますか?
挫折経験がない人は、極めて珍しいのではないでしょうか。
ところで、私はかねてより、英語習得と登山は非常に似ていると思っています。
例えば、あなたは、自身の目的・理由の達成のために登山をする、としましょう。
登山口から入って、一合目から登り始めます。
五合目に着くころには疲れ切ってしまったとしましょう。
そしてあなたはこう考えるようになります。
「もう、ダメだ」
「帰りたい」
「やっぱり自分には無理だったんだ」
そして多くの人は諦めて、せっかく到達した五合目から引き返すことになります。
4) 再チャレンジ
その後、どうなるのか。
もともと英語を習得したい目的・理由を持っていたあなたは、「やっぱり、もう一回頑張ってみようかな~」と思うようになります。
そして、再チャレンジをするようになります。
登山の例で考えてみましょう。
挫折後の再チャレンジでは、前回諦めた地点、つまり 「五合目」 からの再スタートとはなりません。一度下山したからです。もう一度、一合目からやり直しです。
つまり、一度諦めると、最初からやり直しなのです。
前回の努力は、殆どが無駄になるのです。勿体ないですよネ。
そして、再チャレンジでは、前回挫折した失敗を踏まえて、前回とは異なる登山ルートで登るかもしれません。
例えば、単語帳に加えて、話す・聞くといった “outputs” も取り入れた方法を採用する、などです。
登山でも、様々なルートがありますよネ。
keys
▶ 挫折しそうになっている、または挫折した理由をよく検討して、自分に合った登山ルート、即ち、自分に合った学習方法で学ぶことが肝要です。
▶ 最適な方法については、第三者の専門家のアドバイスを聞くことも有益です。
5) 非情な現実
しかし現実は、そう簡単ではありません。
多くの人々は、また、挫折するのです。
何回も挫折します。
そして、しばらくして、再再チャレンジとなります。
その都度、新しいテキストを購入したり、appの subscription fee を払ったりします。
余談ですが、book・off などでは、このように挫折した人たちが売却した書籍が多く売られています。
一見、新品のように見えますが、実際は中古品です。
どれだけ多くの人々が「挫折」→「再チャレンジ」→「挫折」→「再再チャレンジ」をしているか、容易に想像できます。
keys
▶ 私達は、何回も挫折する。そういうものです。
▶ それを素直に受け入れましょう。
▶ そして、対策を練るのです。
6) 根性論だけでは無理
「辛い」、「続かない」、「所詮、自分には無理だったんだ」などと考えることは極力避けましょう。
「何としても、今回はモノにするぞ!」と強い意志だけもダメです。
私の学習経験、指導経験から明らかになっていることは 「根性論だけでは不可能」 ということです。
では、何が必要かというと以下のような 「達成感」 です。
「あたしでも出来た!」
「オレでも続いている!」
「すこしづつ、分かるようになってきたぞ!」
keys
▶ これらの成功体験こそが唯一の対抗策です。
▶ 非常に強力で、 堅牢な motivation 形成に貢献します。
▶ 勿論、学習の最中は、相変わらず 「辛い」 と感じることも多々、あります。
▶ そこで、諦める前に自分が今まで達成してきた内容を振り返ってください。
この写真は登山の例です。
この登山者は、登ってきた行程を物理的に振り返っています。
すると、
『随分と高い所まで登ってきたんだな!』
『自分にもできるんだな!』
と思えるようになります。
そして、またやる気が出て、頂上を目指すことができるようになります。
7) 継続のポイント
➀ 目的達成まで我慢しない (“Don’t hold your breath.”)
➁ 達成までのプロセスを楽しむ (“Enjoy the processes.”)
③ 自分の成長を認識する (“Recognize your growth.”)
④ 成長認識の方法を確立する (“Establish measures to recognize your growth.”)
keys
▶ 特に ④ が重要です。
▶ 如何にして自己の成長・達成を認識するのか、その方法を確立する必要があります。
認識方法は、人それぞれで異なります。
しかし、登山の写真のように、過去の学習内容を振り返ることも一考です。
例えば、3か月前、6か月前に学んだ内容のノートやPCのファイルを見直して、「今ではもう克服してるぞ!」と、達成感を味わうのです。
また、定期的に英検やTOEICなどのテストを受けて、その点数で成長を実感する人もいるでしょう。
keys
▶ ポイントは、自分に合った 『成長を認識する方法を確立する』 ことと、
▶ 更に、明文化した 1) 学習の目的・理由 を再確認して初心に戻ることです。
英語習得の罠を理解して、対抗策を講じて、成長を楽しんで学び続けてください。
\ ワールドトークでHiro先生のレッスンを受けられます! /
Hiro先生初めまして!
ビジネス英語は詳しくないので投稿楽しみにしております(^^)
ワールドトークの先生方の中でも著名な Meg 先生からメッセージを頂けるとは思ってもみませんでした。ありがとうございます。初めての投稿でしたが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
ヒロ先生の仰る通り、私もたくさんのテキストや本、CDを買ったまま放置してます。ひとつだけ違うのは、私はそれらを処分しないで実家に置いたままにしていることです。あとでやろう、と思っているからですが。最近は、自分でも本当に勉強するのかしら、と疑心暗鬼です。
何度も挫折しています。
振り返る材料もありません。
こう言う時はどうしたら良いですか?
自分が言いたいことを英語で言えるようになりたい思いで、ワールドトークで色んなレッスンを受け始めました。詳細は省きますが、特にHiroさんのレッスンは理に叶っていて。レッスンで習ったことをノートに書き留め、ノートを見ずに身体に染み込むまで次のレッスンまでに最低50回は発声します。(できない週もありますが。)Hiroさんの励ましと熱意のおかげもあり、これを繰り返すとノートを見返した時に、これも言えるようになってる、あれも言えるようになってる!とワクワクする自分がいます。英語学習は、何度も挫折していましたが、自分に合うメソッドが確立されつつあります。Hiroさん、いつもありがとうございます!!