こんにちは。講師のKazuです。
今回は、英検1級単語でもある “intangible”と”tangible” がテーマ。
ひょっとすると、初めて見る単語!という方もいらっしゃるかもしれません。
これらの意味を理解するため、
Dave Ulrich氏、Wayne Brockbank氏共著『The HR Value Proposition』
(Harvard Business School Press, 2005)
の記載を引用しながら、深掘りをしていこうと思います。
なお今回のブログ執筆にあたり、
著者Dave Ulrich氏ご本人にメッセージをお送りしたところ、
なんと引用のご快諾をいただきました。
英単語そのものだけでなく著者の鋭い洞察についても、
私の拙い文章を介してではありますが、
触れていただくきっかけとなれば幸いです。
『The HR Value Proposition』での “intangibles”
私の使っている辞書では、
・intangible 「無形の」「触れることができない」「実体のない」
・tangible 「有形の」「触れられる」「実体のある」
といった意味が出てきます。
一方同著では、「数値化しにくいが企業の市場価値に結び付く大きな要素」
= “intangibles” と、定義づけています。
Intangibles represent value derived from choices about what happens inside the firm and from how investors value those decisions, rather than from its physical assets.
Ulrich, Dave and Brockbank, Wayne. The HR Value Proposition. Boston: Harvard Business School Press, 2005: 48
“intangibles” の語感をもう少しイメージできるよう、
上の引用文にある “physical assets” (=”tangibles”)と対比しながら、
それぞれ例を挙げてみます(同著P48-51を参考に以下例示)。
・intangibles: talent(人材の能力)、speed(組織としての決断の速さ)、
shared mindset(組織内外で共有される、特有の企業文化)
・physical assets: earnings(利益)、stock prices(株価)
このように両者を並べてみると、“intangibles”は数値での計測が難しい要素ばかり。
しかし、企業が顧客、投資家、従業員など
all stakeholders(すべての利害関係者)への価値提供をする上でとても重要な要素です。
同著ではHR(Human Resources、人事)の役割として、
「“intangibles”をつなげたり仕組みに落とすことで、
目に見える”tangibles”(=”physical assets”)に変えること。
それによって、経営層や投資家の意思決定を助けること」
があると論じられています。
私たち英語学習者にとっての “intangibles” って?
ここからは私の解釈なのですが、
私たち英語学習者にも ”intangibles” と “tangibles” があるんじゃないか、
と思っています。
・intangibles: 学習を継続する力、挫折しても諦めない力、学ぶことを楽しめる力
・tangibles: 英検●級合格、TOEIC●点取得、志望校合格、キャリアアップ転職
そして、英語コーチとしての私の役割は、
「生徒さまの貴重な “intangibles” をつなげたり強化することで、
目に見える “tangibles” に導くこと。
それによって、生徒さまの次のステップに向けた意思決定の一助となること」
なのだと感じています。
おわりに
実は、Dave Ulrich氏からはこんな激励のメッセージもいただきました。
「(ブログの執筆、)応援しているよ。
(私も)毎週コラム記事を書いてアイデアをアップデートしているから、
ぜひ参考にしてみて!」
チャットで少しやりとりをさせていただいただけですが、
著者の温かい人柄が伝わってきますよね。
今後も、ブログを読んでいただいている方に少しでも還元できるよう、
私自身学び続けていきたいなと思っています。
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