こんにちは。講師のKazuです。
この3週間、朝は電車の中、昼はオフィス、夜は自宅で、ある小説に没頭していました。
2021年に出版された、Kazuo Ishiguro氏による近未来を舞台にした小説です。
テーマは、AIとhuman heart、そしてlove。
本書出版から3年が経った今、AI技術はさらに飛躍的な進歩を遂げています。
技術革新により社会が変化しつつある今だからこそ、取り上げたい1冊です。
今日は本書について、ほんの少し、紹介させてください。
AIロボットの Klara が主人公
Klaraは、”AF” すなわち、”Artificial Friend”。
子供たちの話し相手、遊び相手として生み出されたAIロボットです。
AFの中でもとりわけ、観察眼や洞察力に優れたロボットとして描かれています。
子供にとってより良い「友達」になるべく、人間の感情を理解しようと外界の情報を必死に吸収するKlara。
そんな彼女の健気な様子に、私たち読者は「人間らしさ」「純粋さ」を感じるのではないでしょうか。
“Do you believe in the human heart?”
物語中盤。
大人たちは、AFの持つ人間をはるかに超えた能力を賞賛します。
しかし同時に、
「生身の人間だからこそ持つ『特別な何か』なんて、実は何もないのでは・・?」
とAFに敵意や恐怖を感じずにはいられません。
そんなある時、Klaraはこう尋ねられます。
“Do you believe in the human heart? ー(中略)-Do you think there is such a thing? Something that makes each of us special and individual?”
Ishiguro, Kazuo. Klara and the Sun. London: Faber and Faber, 2021: 218
女の子Josieや周囲との生活で、人間に対する洞察を深めていったKlara。
そんな彼女が出した答えとは・・・?
終わりに
仕事帰りの電車。本を開くと、知らぬ間に物語にのめり込んでしまって。
ふと気づいたら。あ、もう、最寄り駅。
この3週間は、そんな日常でした。
物語に触れられる時間は、1日にほんの数分。長くても数十分。
それでも、何か「心」が豊かになっていた気がするんです。
ブログの読者のみなさんは、普段どんな本を読まれるのでしょうか。
みなさんの読書体験もぜひ共有いただけたら、嬉しいです!
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