今から去ること、数年前。
私は、イタリアのベローナに向けて、一通の手紙を書いておりました。
選びぬかれた白い便せんに、切々と書いたその中身とは、
「恋のお悩み」
いえ…。
「決意表明」だったかもしれません。
なんだってそんなに力んで、
そして、一体誰に書き送ったのかというと
いきさつは、こんな具合です。
⓵人生最悪の失恋。
↓
②2010年公開映画『ジュリエットからの手紙』に出会う。
↓
③あまりの感動に調べたところ、実話がベースだと知る。
つまり、私は、手痛い心のさざ波(思いのたけ)を受け止めてくれる場所を探しに探し、「いのちの電話」ならぬ「失恋・駆けこみ寺」をイタリアに見つけたのでした。
名前は、『ジュリエット・クラブ』
毎年、5000通にも及ぶ全世界からの恋愛相談のリアル・レター。それを、英語、スペイン語、フランス語、日本語、ドイツ語、必要とあらば点字でも、とにかく必ず寄せられたお悩みには必ず返事を書き送ってくれるのです。20人弱のボランティアスタッフが、一通一通、丁寧に自筆で書き送ってくれるのです。(メールでもOKらしいです。)
私は英語で書きました。
日本語でも良いのに、そうはしませんでした。
建設的なまっとうな話など、聞きたくなかったのです。
いや。はたして…。
ほとぼりが冷めかけた数か月後、ベローナの消印とともに、白い封筒が到着しました。