【そもそもB級映画って何?と思われた方は🤔】
Hi there! みなさんこんにちは!
B級映画というと『低予算でそれなりの出来』という印象があるかもしれません。
しかしながら、時として『低予算』などの様々なハードルを
【才能と努力と工夫で完全にねじ伏せた高予算の映画に引けを取らない逸品】
も存在するのです😎
今回はそのひとつ、【New York 1997】と、その続編である【Escape from LA】と共に紹介していきます🤠
『B級映画ってなんだろう?』
となった方は、こちらの記事をご覧くださいね🥳👇
【New York 1997】 (原題:Escape from New York) あらすじ
こちらはジョン・カーペンター監督による、80~90年代を代表するハリウッドスター、カート・ラッセル主演、81年公開の近未来SF映画です😃
…1988年、アメリカ政府は犯罪率400%増の現状を鑑み、ニューヨーク、マンハッタン島を巨大な刑務所に改造。
そこは300万人もの囚人が暮らす無法地帯に。全米選りすぐりの、終身刑の重犯罪者たちがかき集められ、週に1回セントラル・パークに投下される食料の配給以外は全て、そこに住む囚人達による自治に委ねられていました。
エネルギー危機により米ソが開戦した第三次世界大戦が終結に向かっていた1997年のある日。
大統領は米中ソの三国サミットに向かう途中で、サミットでは参加国に対して、戦争の原因であるエネルギー問題を解決する核融合技術に関する発表内容が吹き込まれた録音テープを提示する予定でした。
ところが大統領専用機がテロリストにハイジャックされ、こともあろうにニューヨークに墜落。
大統領は脱出ポッドに入りどうにか生き延びたものの、ギャング達に人質として監禁されてしまいます。救助に向かった強行突入部隊が発見したのは、こじ空けられたポッドだけ。
大統領はすでに囚人たちによって拉致されており、渡されたのは刑務所周辺を警備する全兵力の撤退を要求する囚人たちの要求書と、切り落とされた大統領の指1本という、絶望的な状況です。
この絶体絶命の状況の中、警察本部長のホークは、元特殊部隊員で叙勲された英雄であるにもかかわらず、
その後、武装強盗の罪で終身刑の判決を受け、収監される予定となっていたスネーク・プリスキン(カート・ラッセル主演)を、放免を条件に刑務所内に単身潜入させることを思いつきます。
体内に時限爆弾を埋め込まれてしまったスネークは、嫌々ながらも、やむなく大統領救出作戦に同意。
単身ニューヨークへ向かい、消えた大統領の行方を追うことに。サプレッサー付きMAC10などの最低限の武器を渡され、グライダーで世界貿易センタービルへ着地。
大統領を人質に取ったギャングのリーダーや、街に跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する囚人たちを相手に孤独な戦いを開始します…。
この映画のすごいところは…
あらすじの段階で、すでに面白い予感しかしないでしょう?でも…
『低予算だからショボい』???
👆誰にもそんなこと、絶対、誰にも言わせない!!!!!😎
この映画のすごいところは【工夫の凝らし方】です。
それはもはや、『人生の縮図』とも言えてしまうほどで、私達の人生の羅針盤的考え方にもなります。
もちろん、私達が励んでいる英語学習にもその考えは全て応用可能です。
人生は生まれた時から不平等で、それが当たり前です。
お金はそれなりにあったほうが軍資金にはなりますが、だからと言って、お金持ちだけが成功するのでしょうか?
…お金があっても才能に気づくことなく終わったり、それを正しく使いこなせない人たちも大勢いますし、
お金がなくても少しの才能、ある程度の努力、そしてそれ以上の『工夫』によって大成した人は大勢います。そして【そのような人たちが世の中を面白いものにしているのです。】
今回の映画はまさに、それを体現しています。
制作当時は低予算な上、当時はまだ今ほどのコンピュータグラフィックが発達していませんでした。…あるっちゃありましたが、バカ高かったのですね😰
そこでこの映画は、オープニングのマンハッタンのイラストはCGではなく【段ボール箱にガムテープを貼ってブラックライトを当てて代用】しました。
また、映画の冒頭にスネーク・プリスキンがグライダーに乗り、夜の闇に紛れてニューヨークに侵入を試みるシーンでは(上の動画1:00参照)、
グライダーに搭載された暗視野装置のモニタに映し出される風景映像を、
【ミニチュアをリスフィルムで撮影して光学合成をかけてうまいこと対応させた】のです。
言われなければ誰も、これらがまさか、あのハリウッドで
『ウルトラマンの撮影セットよりも小さなミニチュアで撮影された』
だなんて、気づかなかったでしょう?グライダーも飛行機も車も…みんなミニチュアです🤯
このやり方は、
まだCGに莫大な予算が必要とされた当時にしては、かなり現実的かつ効果的な手法とされ、
その後しばらくの間は
『CGをを使いたいものの、予算がない』という作品で多用される【王道テクニック】になりました。
この工夫に工夫を凝らした手法でヒットを飛ばし、1996年には続編『エスケープ・フロム・L.A.』が製作されたのです。
才能やお金以上に【人間性が重要】であることを教えてくれる作品
さて、この低予算映画が成功を収め、伝説のB級映画となるのには大きな要因がありました。
『人生は工夫次第』ということを体現しているだけでも素晴らしいですが、もうひとつ注目すべき要因をあげますと、
【関わった人材の先見性、人徳の高さ】です。
もちろん、ジョン・カーペンター監督が素晴らしいのはいわずもがな、
脚本を手にした時に『大ヒットする面白さであると一目見て気づき、二つ返事で出演OKを出した主演のカート・ラッセルの先見性』にも唸らせられます。
また、音響には『タイタニック』などで有名なジェームズ・キャメロン監督が、当時『音響スタッフ』として制作に携わっています。まだ有名監督になる前の話です。こうやって皆さん、トップへと駆け上がって行ったのですね。
…共通することは、制作陣のスタッフは皆
『低予算=質が悪い』という一般的なステレオタイプで物事を判断せず、
【もっと深い部分の本質を見抜いてこの作品の制作に参加し、関わっていた】ということです。
当時の状況に、予算などのハードルがあっても、工夫で状況をさらに良くする気持ちを持った人たちの集まりであったこと、
そしてそのような前向きな人材ばかりだったがために映画は大ヒット、
そしてのちにカート・ラッセルもさらなる俳優人生における快進撃を続け、
音響担当だったジェームズ・キャメロンは世界の名監督として『タイタニック』以外にも『スパイダーマン』や、現在公開中の『アバター』など、誰もが知る名作を世に繰り出していきます。
この『目先にことに捕らわれず、長期的スパンを見据えて行動する視点』は、
一日二日で大成することのない、語学という生涯学習に励まれているみなさんにとってもおおいに励みとなる事でしょう。
彼らが生み出した傑作は、大人気ゲーム【メタルギアソリッド】の元ネタにまでなってしまった💣
この『New York 1997』と続編の『Escape from LA』はさらなるバタフライエフェクトを生み出します。
海を越えた遠い国、日本のゲーム業界において、『メタルギアソリッド』が誕生し、大ヒット作となりましたが、このゲームの元ネタになったのがこの2作の映画と言われているのです。ゲームをプレイしたことがある人なら、ハッとなりましたね。
そうです、主人公の名前は『スネーク』です。この映画から来ているのですね。そして、主人公が単独潜入を行いテロリスト相手に戦闘を繰り広げるシーンや、体内に時限爆弾が仕掛けられている点など、相当映画に似通っているのです。
ちなみに『パクリ』系トラブルは、映画業界では日常茶飯事で、速攻訴訟問題に発展します。
カーペンター監督は『TAXI』シリーズで有名なリュック・ベッソン監督の映画『ロックダウン』に対して自身の作品に酷似しているとして訴えを起こし、勝訴しています。
…では、『メタルギアソリッド』の小島秀夫監督も、同様にて盗作で訴えられてしまったのでしょうか?
…答えは『いいえ』です。
訴えられることはありませんでした。
カーペンター監督が訴えなかった理由。
それは【メタルギアソリッドの小島秀夫監督が”Nice guy” (いい奴)だったから】だそうです。
カーペンター監督は、小島監督と個人的な交流があったようで、小島監督はカーペンター監督を師匠として慕い、またカーペンター監督は小島監督の素晴らしい人間性から、訴訟を考えたものの、実際に訴訟をする気にはならなかったんだとか。
これはあくまで私の憶測ですが、きっと小島監督がカーペンター監督に対して、最大限のリスペクトを示し、仁義ある関わり方をされていたのではないでしょうかね。
ドラゴンボールは西遊記からヒントを得て描かれていますが、それを非難されたという話は聞きませんよね。訴えられたり不快に思われるかどうかの紙一重の領域に、
【相手へのリスペクトがあったかどうか】
ここが問われているのです。
この、相手や作品への尊敬、敬意、配慮の上での使用は、【homage: オマージュ】と呼ばれ、映画業界では尊敬する師を仰ぎ、よく用いられる技法です。
人間性、存在の本質を見ること。人徳。
これらが間違いなく、世の中を良くし、いざという時にはその人そのものを救うこともあるということですね。
続編である『Escape from LA』の一部の動画も以下に貼り付けておきます。この伝説の2作を観れば、みなさん、低予算の合成技術が、それぞれの工夫の凝らし方でこれほどまでの大作に昇華されたこと、そして、工夫や人徳が遠く離れた日本のゲーム業界にまで影響を及ぼし、今や全世界を巻き込むムーブメントになった経緯の目撃者です。
そして、現在なんと、アメリカでは日本のコナミが出した『メタルギアソリッド』を実写映画化しようと制作の真っただ中だったりもします。紆余曲折あって、時間がかかっている様子ですが、完成したら観てみたいものです。
【アメリカ映画に対する日本側のオマージュを、アメリカが認めて受け入れ今度は逆輸入する】という、映画界においても歴史的出来事であるように思います。
あなたの環境は現状、語学やそれぞれの目標において、ベストとは言えないかもしれません。しかしながら、なんでも工夫次第でさらに良くすることは可能です。
少なくとも、この映画のスネークのように体内に事前爆弾が埋め込まれてた状態で孤軍奮闘を強いられたりはしていないのですから。たいがいのことは、何でもできる!なんとかできる!!
あなたも是非、あなたにしか出来ない創意工夫でこの世の中を、うんと面白くしてください😎
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これはまた懐かしいものが、、。ここで拝見できると思ってませんでした
ほんとよくできた映画で、MGSシリーズのこともありますがカルト的な人気を誇る理由もよくわかります。ひと時代前、金ローなどがまだ夜9時からを占領できてた頃には、こういった定期的に見たくなる味わい深い映画が流れていたものですね。ラッセル、ヴァンダム、セガール、スタローン、、。久しぶりに往年のアクションスターたちの作品を見たくなりました。
ピートさんこんにちは!以前もすきま英語にコメントいただいておりましたが、こちらにもコメントいただけて嬉しいです!
Mio先生
字数制限がなくなってMio先生本領発揮ですね☆魅力的な映画が沢山でワクワクします。楽しく皆さんに英語に触れあっていただきたいですね(^^)
ピートさん、引越し後のサイトも訪問くださりありがとうございます!!
ピートさん、映画詳しいですね(・ω・)私のほうがびっくりです!!金曜ロードショー、私も子供の頃から大好きで観ていますよ(●´ω`●)もちろん、仰っていたジャンクロードヴァンダムも、スティーブンセガールも、シルベスタースタローンも、皆大好きで彼らの映画はほぼ全部観たと思います。
ニッチな内容の記事なんだろうなと思って執筆しておりましたが、思いの外、映画記事を楽しんで頂けているようすで安心しました。嬉しいです!!
また、そのうち、英語学習につながるような役立つ情報とリンクさせて紹介していけたらと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Meg先生、お優しいお言葉をありがとうございます(T T)
今話題の映画も取り上げていこうとは思っているのですが、しかしながら、いま旬のモノって大体誰かほかの人が何かしら記事にしていたりすると思いますので、
少しズレている私のような者は、変わり者なりにズレた視点から何か書くことで、それが少しでも少数の方々の琴線に触れてモチベーションが上がっったりしていたら嬉しいな、なんて思いながら書いてみました(;´∀`)
Meg先生にはいつも励まして頂き、本当にありがたいです。
文字数制限がないので、色々な情報を詰め込めるようになり、すごく嬉しいです(*´ω`*)